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赤色光とは

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赤色光ってどんな光?

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美容用のLEDマスクや、全身に光を当てるパネル型デバイスなど、近年目にする機会が増えている「赤色光」。美容や健康への関心から気になっているものの、「そもそも、なぜ赤い光を体に当てるの?」「普通の赤い照明とは何が違うの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

赤色光は、人の目に見える「可視光」のひとつです。しかし、研究で注目されているのは単に“赤く見える光”だからではありません。特定の波長の赤色光や近赤外線を体に当てることで、細胞や組織にどのような変化が起こるのか、さまざまな分野で研究が続けられています。

では、赤色光とはどのような光で、なぜ体に働きかけると考えられているのでしょうか。近赤外線との違いや、研究されている仕組み・効果について、できるだけわかりやすく解説します。

赤色光とは

赤色光とは、人間の目に見える光のうち、波長が長い赤色の光です。特定の波長の赤色光が細胞や組織に与える影響について、医療や美容などさまざまな分野で研究されています。

赤色光は、目に見える光のひとつ

私たちの身の回りにある光には、さまざまな種類があります。

太陽の光は一見すると白く見えますが、虹になると紫、青、緑、黄、赤などに分かれて見えます。これらは、人間の目で見ることができる「可視光」と呼ばれる光です。

光の種類を表すときによく使われるのが、「nm(ナノメートル)」という波長の単位です。

赤色光を使ったフォトバイオモジュレーション(PBM)の研究では、おおむね620~700nmの赤色光が用いられています。なかでも630nmや660nmといった波長は、論文や赤色光デバイスでよく見られます。

「660nm」と聞くと難しそうですが、まずは赤い光にもいくつか種類があり、それを数字で表しているくらいに考えておけば大丈夫です。

赤色光と近赤外線はどう違う?

赤色光と近赤外線の大きな違いは、目に見えるかどうかと、体の組織への届き方です。

赤色光は私たちの目に赤く見えます。一方、その赤色光よりもさらに波長が長い「近赤外線」は、基本的に人間の目には見えません。

PBMの研究では、赤色光だけでなく近赤外線もよく使われています。

赤色光近赤外線
見え方赤く見える基本的に目には見えない
PBMで扱われる波長の目安約620~700nm約700~1440nm
よく見られる波長の例630nm、660nmなど810nm、830nm、850nmなど
特徴比較的、体の表面に近い組織を対象に使われるより深い組織を対象に使われることが多い

近赤外線は、赤色光よりも深い組織に光を届ける目的で使われることがあります。ただし、実際にどこまで光が届くかは波長だけでなく、光の強さや照射する場所、皮膚や脂肪など組織の状態によっても変わります。

また、近赤外線のほうが深く届くから、赤色光より優れているというわけではありません。何を目的にするのかによって、研究で使われる光は異なります。

近年「Red Light Therapy」と呼ばれている研究や市販デバイスにも、赤色光だけを使うものと、赤色光と近赤外線を組み合わせるものがあります。

そのため、ここでは赤色光だけでなく、赤色光と近赤外線を使った研究についても取り上げます。

なぜ赤い光を体に当てるの?

赤色光や近赤外線を体に当てると、その光の一部が細胞内の分子に吸収され、細胞の働きに変化を与える可能性があります。

こうした光による生体への作用を利用する方法は、「フォトバイオモジュレーション(Photobiomodulation:PBM)」と呼ばれています。

光を利用する「フォトバイオモジュレーション(PBM)」

フォトバイオモジュレーションという言葉は少し難しそうですが、
• Photo=光
• Bio=生体
• Modulation=調節
という意味を持っています。
簡単にいえば、「光を使って、生体の働きに変化を与える」という考え方です。
以前は「Low-Level Laser Therapy(低出力レーザー療法)」などと呼ばれることが多かった分野ですが、現在ではレーザーだけでなくLEDを使った研究も行われています。

体を温める「赤外線」とは少し違う

「赤外線」と聞くと、赤外線ヒーターや温熱器具のように、「体を温めるもの」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

しかし、PBMは熱によって体を温めることを主な目的としたものではありません。

赤色光や近赤外線の光そのものが細胞内の分子に吸収され、そこから起こる反応を利用しようとするのがPBMです。

そのため、単に赤い光を当てればよいというものでもありません。

「どんな波長の光を、どのくらいの強さで、どのくらいの時間当てるのか」が重要になります。

赤色光は体の中でどう働くの?

赤色光や近赤外線が体に当たると、光の一部が組織に入り、細胞内にある分子に吸収されます。そこから、細胞の中でさまざまな反応が起こると考えられています。

その仕組みはまだすべてが解明されているわけではありませんが、研究で特に注目されているもののひとつが「ミトコンドリア」です。

細胞が光を受け取る

私たちの体をつくる細胞の中には、特定の光を吸収する分子があります。

赤色光や近赤外線が届くと、こうした分子が光を吸収します。それをきっかけに、細胞内でさまざまな変化が起こると考えられています。

注目されているのが「ミトコンドリア」

赤色光の仕組みを説明するときによく登場するのが、ミトコンドリアです。

ミトコンドリアは細胞の中にあり、私たちが活動するために必要なエネルギーをつくる重要な役割を担っています。そのため、よく「細胞の発電所」にたとえられます。

PBMの研究では、ミトコンドリアにある「シトクロムcオキシダーゼ」という酵素などが、赤色光や近赤外線を受け取る分子のひとつとして注目されています。

光を受け取ることで、細胞がエネルギーとして利用するATP(細胞が活動するために使うエネルギー源)などに変化が起こり、その後の細胞内のさまざまな反応につながると考えられています。

かなり簡単にすると、次のような流れです。

赤色光・近赤外線を当てる
↓
光の一部が組織に入る
↓
細胞内の分子が光を受け取る
↓
ミトコンドリアなどの働きに変化が起こる
↓
細胞内のさまざまな反応につながる

こうした反応が、細胞の増殖や移動、組織の修復などにどのような影響を与えるのかが研究されています。

ただし、「赤色光を当てればミトコンドリアが元気になり、体のさまざまな不調が改善する」と単純に考えられるものではありません。

体の中では複数の反応が関わっていると考えられており、その詳しい仕組みについても現在研究が続いています。

赤色光にはどんな効果が研究されている?

赤色光や近赤外線を使った研究は、美容や育毛、傷の治り、痛みの軽減など、さまざまな分野で行われています。

なかでも身近なのが、肌に関する研究です。赤色光などを照射することで、肌の状態やシワなどにどのような変化が起こるのかが調べられています。

薄毛・育毛も比較的研究が進んでいる分野です。男性型脱毛症などを対象にした研究が複数行われており、これまでの研究をまとめて分析した論文でも、赤色光や近赤外線による毛髪への効果を支持する結果が報告されています。

また、傷や潰瘍などの治癒、神経に由来する痛みなどについても臨床研究が重ねられています。2025年に発表された専門家による評価でも、男性型脱毛症や一部の創傷、末梢神経障害などは、PBMの効果を支持する研究がある分野として挙げられています。

赤色光なら何でも同じ効果が期待できる?

同じ赤色光でも、波長や光の強さ、照射する時間などが違えば、体に与える影響も変わる可能性があります。

つまり、「赤色光を使っている」というだけで、研究で報告されたものと同じ結果が期待できるわけではありません。

研究では、主に次のような条件が設定されています。

波長

630nm、660nm、810nm、830nm、850nmなど、使用する光の種類です。

赤色光なのか近赤外線なのかだけでなく、同じ赤色光の中でも波長には違いがあります。

光の強さ

どのくらいの強さの光を当てるのかも重要です。

論文では「mW/cm²」といった単位が使われますが、一般的には「肌に届く光の強さ」と考えるとわかりやすいでしょう。

当てる時間や回数

1回に何分当てるのか、毎日使うのか週に数回なのか、何週間続けるのかなども研究によって異なります。

光の強さと時間を合わせて、「最終的にどのくらいの光を与えたのか」を示す指標も使われます。

PBMは、単純に「強い光を長く当てるほど効果が高くなる」というものではありません。波長だけでなく、光の強さや照射時間など複数の条件によって結果が変わると考えられています。

たとえば、ある研究で660nmの赤色光を使って良い結果が報告されていても、660nmと書いてある市販製品ならすべて同じ結果になる、ということではありません。

赤色光の研究を見るときには、「何nmなのか」だけでなく、どのような条件で光を当てたのかまで確認することが重要です。

赤色光の効果は本当に科学的に確認されている?

赤色光や近赤外線については、人を対象とした研究も数多く行われています。ただし、効果がどこまで確かめられているかは、目的によって異なります。

たとえば薄毛や一部の傷、痛みなど、複数の研究から効果を支持する結果が得られている分野があります。

その一方で、人を対象とした研究がまだ少ない分野や、研究によって結果が異なる分野もあります。

「論文がある=効果が証明された」ではない

インターネットでは、「論文で効果が証明された」「研究で判明した」といった言葉を見かけることがあります。

しかし、1つの研究で良い結果が出ただけで、その効果が確実だと判断できるわけではありません。

たとえば、

少人数で行われた1つの研究

よりも、

多くの人を対象にした研究が何度も行われ、似たような結果が積み重なっている

ほうが、結果への信頼は高くなります。

赤色光についても、研究が比較的進んでいるものと、まだ可能性を調べている段階のものがあります。

その違いを知ったうえで研究結果を見ることが大切です。

赤色光は安全?注意点はある?

研究で適切な条件のもと使用されているPBMは、比較的安全性の高い方法とされています。2025年に発表された専門家による評価でも、成人に対するPBMは安全性が高いとされ、赤色光PBMによるDNA損傷を示す根拠は確認されていないと報告されています。

ただし、これは「赤い光なら、どんな機器をどんな使い方をしても安全」という意味ではありません。

市販されているデバイスは、使用している波長や光の強さ、推奨される照射時間などがそれぞれ異なります。

使用する場合は製品ごとの使用方法を守り、治療中の病気がある場合などは、医療の代わりとして自己判断で使用するのではなく、必要に応じて医師などの専門家に相談することが大切です。

赤色光について、いまわかっていること

赤色光とは、私たちの目に赤く見える可視光のひとつです。

特定の波長の赤色光や近赤外線を体に照射し、細胞や組織に起こる変化を利用しようとする方法は「フォトバイオモジュレーション(PBM)」と呼ばれています。

赤色光や近赤外線の一部は組織に入り、細胞内の分子に吸収されます。そこからミトコンドリアなどを含む細胞内の反応が変化し、さまざまな働きにつながると考えられています。

現在は、肌や育毛、傷の治癒、痛みをはじめ、幅広い分野で研究が進められています。

ただし、赤色光について研究されているすべての効果が、同じように確かめられているわけではありません。また、波長や光の強さ、照射する時間などによっても条件は大きく異なります。

「赤色光にはどんな効果があるのか」を知るには、実際にどのような条件で研究され、どんな結果が得られているのかを一つずつ見ていくことが大切です。

この記事の執筆・編集

赤色光ラボ編集部(赤色光リサーチチーム)

赤色光ラボ編集部は、赤色光・近赤外光・フォトバイオモジュレーション(PBM)に関する国内外の学術論文や研究データを調査し、その内容を一般読者向けにわかりやすく発信する編集チームです。

美容・健康・医療など、さまざまな分野で進められている赤色光・近赤外光の研究に着目し、研究の背景や目的、実験方法、得られた結果を丁寧に読み解いています。特に、研究に参加した人数や光を当てた条件、実際に確認された変化など、具体的なデータを正確に伝えることを大切にしています。

エビデンス(科学的根拠)を重視し、研究で明らかになったことと、まだ十分に解明されていないことを区別しながら、科学的な正確さとわかりやすさを両立した記事制作を心がけています。

国内外で積み重ねられてきた研究成果や新たな知見を通じて、赤色光という可能性に満ちた分野を、専門知識のない方にも身近に感じていただけるよう、情報発信に取り組んでいます。

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